以前今よりもっと消費者金融が危険視されていた時代がありました。サラ金という呼び方で消費者金融を呼び、ヤミ金と混同されることも珍しくありませんでした。
消費者金融からの借金で生活が破綻する人は後を絶たず、返済に窮してしまい自己破産に追い込まれる人も少なくありませんでした。中でもひどい人になると、犯罪に走ったり、自殺に追い込まれる人も。
そんな人がこれ以上生まれないように、国は貸金業法を改正し、金利や利息にしっかりと制限をかけました。そしてそれと同時期に生まれたのが、年収の金額で、借り入れることができるお金に制限のかかる総量規制です。
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かつてのキャッシング業界
今よりもっと金利が高くキャッシング利用者が返済に困ることが多かった時代、多くの人が自己破産に追い込まれていました。消費者金融による取り立てに関する法律もなかったので、正規の消費者金融でもかなり暴力的な取り立てを行っていたそうです。
高い金利で多額の利息を支払うことを迫られた後、その返済が遅れると取り立てがやってきて生活がめちゃくちゃ。こんな自体を無くすために生まれたのが総量規制です。
消費者の生活を守るために生まれた総量規制
総量規制により、キャッシング利用者は年収の3分の1までしかお金を借りることができなくなりました。
年収が300万の人は消費者金融のカードローンを利用して100万円までしかお金を借りることができません。これにより、消費者金融などからの借り入れによって生活が破綻する人が少なくなりました。
総量規制以上借り入れようとしても、消費者金融が取り寄せた信用情報によって審査に落ちてしまいます。
消費者金融は総量規制の対象
総量規制には対象のものと対象外のキャッシングがあります。一番ポピュラーなキャッシングである消費者金融のカードローンなどは総量規制の対象です。大手消費者金融であるアイフルやプロミス、もっと知名度の低い中小消費者金融もこの総量規制の対象となります。
以前はもっと高い金利で制限のないお金を消費者金融から借り入れる人が多かったですが、今ではほとんどの人が消費者金融から小額キャッシングを行っています。
現在消費者金融からの借入額合計は47万円だと言われているほどです。
クレジットカードのキャッシングなども総量規制の対象
消費者金融と同じく総量規制の対象なのが、クレジットカードのキャッシングです。消費者金融のカードローンよりもっと気軽に借り入れることができるクレジットカードのキャッシングも、利用者の生活を破綻に追い込んでしまう危険があるので当然と言えば当然です。
他社借入れと合わせた合計額が年収の3分の1以内
一社からの借入れが年収の3分の1を超えてはならないのではなく、他社借入額合計が年収の3分の1を超えるのを禁止した法律となります。
消費者金融などに申し込むと、審査の際見られる信用情報で現在の借入額がわかるのでごまかしが効きません。
銀行キャッシングは総量規制の対象外
総量規制の対象外であるキャッシングは存在します。銀行キャッシングは年収により借入額の制限を受けない総量規制の対象外でお金を借り入れることができます。
銀行カードローンの中には三井住友銀行カードローンのように限度額が1,000万円など高額キャッシングに対応したものがあります。カードローンで借り入れたお金の使いみちは自由ですから、借り入れた多くのお金で自分の目的を果たすことが可能です。
銀行カードローンをおまとめローンとして利用可能
総量規制の制限を受けずに借り入れることができる。そして借り入れたお金の使いみちは自由なので、他社の借入を一本化するおまとめローンとして利用することができます。
ただでさえ低金利の設定は、借入額が大きくなればなるほど引き下がるので、銀行キャッシングをおまとめローンとして利用するのにうってつけです。
借入額が多いと審査で不利
当然ですが、総量規制に制限されないとはいえ、多くのお金を借り入れるための申請を行うと、それにより審査に通りにくくなります。借入額が小額であればあるほど審査に通りやすくなり、審査も早く終わります。
多重債務者や高額キャッシング希望者にお金を貸し付けるのは銀行にとってリスクでしかありません。多くのお金を借り入れるにはそれに見合った返済力が必要です。
総量規制やグレーゾーン金利の廃止で消費者金融は窮地に追い込まれた
2006年の貸金業法改正で消費者金融は大きな痛手を負いました。今までは得ることができていた多くの利益を得られなくなりました。
金利は上限が20％までと制限されていただけでなく、金利上限法と利息制限法のギャップで生じていたグレーゾーン金利による過払い金請求に応えることになりました。
これで消費者金融は経営難に追い込まれたことで、アイフル以外の大手消費者金融は銀行の子会社として経営することになりました。
以前と比べると新規の消費者金融の創立もなくなっています。